キミがくれる、あるがまま。
モリッキーに、学級委員は前に出て、他の委員会を決めてと言われたので、恐る恐る、私は前に出た。
授業で、発表するだけでも苦痛なのに、まさかみんなの前に立っている状況になるとは・・・
前の席の、麦ちゃんを縋るような気持ちで、ちらっと見ると、ウンウンと頷いてくれた。
すでにトモがいる、教壇に行き、トモと並んだ。
「相原、ありがとう。」
トモは、私を見てにっこり笑う。
私は、戸惑いが隠せずに、下を向いた。
うぅ・・・・馴れないことをするのは、こんなに手に汗を握るんだ。
トモは、私に向かって、みんなには聞こえないほどの些細な声の大きさで、私を見た。
私は、このとき思った。
なんて、綺麗な瞳の色なんだろう、って。黒よりは、焦げ茶みたいな、本当に綺麗な色。
「・・・大丈夫。俺がなんとかするから。」
私の、頭上でトモが私に優しく言ってくれて、背中をぽんっとひとつ叩いてくれた。
少し小声だった。
「大丈夫、俺に、ついてきて。」
はっきりとした表情のトモと目があって、私は頷いた。
トモ・・・
頼もしいじゃん。