ずっと、そばにいたい



レンはさっきからしかめっ面だ。


「…十代半ばにして、眉間のシワがとれなくなりますよ?」

「うっせぇ…」

あら、これは本格的に不機嫌そう。


「追いかけたいなら行けばいいのに」

アオイがからかったら

「うっうるせえ!」

って、真っ赤になって怒鳴るんだからホント素直な性格してると思う。

分かりやすいな~レンは。


「…レン」

「あ?んだよ」

「アイツはやらねぇぞ、俺のもんだ」

「いっいらねーよ!あんなやつ!
こっちから願い下げだっつーの!あんな怪力女!」


そこか?つっかかるところ。


「リーダー、本気であの子を『姫』にするんですか?」

俺のもの、とは総長のものということ。

つまりは組織のNo.2になるってことだ。

そして、『姫』になるってこと。


「本気じゃなかったら、ここに呼ばない」

「…ですよね」


でも、姫になると言うことは、同時に、標的になるってことだ。

姫は女がなる、これは常識で当たり前、幼稚園児でも知ってる。

女、というと=弱い。

弱い=弱点になる。


ライバル組織、邪魔な組織の弱点をつかない奴など、この世にいない。


つまり、姫になることが知れたら、あの子はたくさんの人に狙われることになるだろう。


…リーダーはそれでいいのだろうか。

大切、じゃないのか。

あの子のことが。





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