ずっと、そばにいたい
って聞いたら、
「ぶっっっふあっwwwww」
思いっきり吹き出された。
…ひど。
しょうがないじゃん、理解できないんだからさ。
「ハ、ハハハッ。素直に聞いちゃうんだね」
「ウッ…」
「姫宮さんって何か思っていたより面白いってゆうか……」
クククッて笑いを必死に堪えてる風だけど、全然堪えられてない。
(…この人も何なの?)
一斗も二斗も三斗もそう、この学校はなんでこう…理解ができない人が多いんだろ。
もっと普通の人がいても……あ。
そうだった。
この学校に『普通』は通用しなかったんだっけ。
そんな場所に『普通』の人が集まるわけがない。
「フーッ。いやぁ~ゴメンゴメン」
やっと笑いが治まったらしい。
先生は相変わらずカーテンの隙間の向こう側だ。
こっちに戻ってくるつもりはないみたい。
…てことは、長話にはならないのかな?
「…これはあくまで僕から見た『銀狼』の姿だから、全部を真面目に受け取らないでほしいんだけど」
「……」
とりあえず、無言で頷いておく。
じゃないと話が進まないし、ここで変な意地張るのもおかしいしね。
ふと、先生が私から視線を外した。
ベッドのそばにあった窓を見ていた。
…でも、たぶん窓は見てない。
見てるんだけど、見てない。
それは、先生の、何かを思い出している瞳からわかる。
過去か…何を思い出してるかは察しがつく。
わたしはただ、黙って先生を見ていた。
「…彼らは、仲間って感じがする」
「??」
「僕が知ってる限りでは、彼らが仲間を見捨てたことは一度もないんじゃないかな…」