ずっと、そばにいたい


壁の時計を見る――…ゲ、もう時間じゃん。

走りたくないからもう出ようかな…。

朝はいつも食べてないから、急ぐ必要はあんまりないけど。


鞄を持つと玄関に向かった。

「……」

―――ふと、昨日のことを思い出した。


自分の右目に触れる。

…これも、あの子にバレたんだよね。

誰だっけ…シ、シ、…あぁシズちゃんだ。


「カラコンと眼帯、どっちがいいかな?」

カラコン嫌なんだよね。

自分で目に異物を入れられない…苦手だ。

眼帯は眼帯であからさまだし、ちょっと厨二病っぽいし…。


「……う~ん」


悩んだ末、カラコンに眼帯という重装備で行くことにした。

昨日の反省はね、しっかり活かさなきゃ意味ないしね。


「…あ~っ、目ぇ擦りたい!カラコンなれないなぁ~やっぱ」

眼帯を着ける。

…うん、厨
二っぽい。


「――て、もう時間無いじゃん!」


そして私は玄関を飛び出した。






< 9 / 123 >

この作品をシェア

pagetop