クローバー♧ハート - 愛する者のために -
でも待って……。
もし、あの頃の裕貴と変わってないのなら、私の話を聞いてくれるかもしれない。
悠を守るためには、この人から逃げちゃいけない。
ちゃんと話を付けなければいけないんだ。
「……分かったわ」
『本当?ありがとう。じゃ、水曜の十五時、の駅前のCaféで』
「えぇ……水曜日ね」
これで裕貴が納得して諦めてくれたなら、悠に話すことも無い。
必要のない心配を掛けなくて済むんだ。
「……誰かに会うの?」
急に足を止めた私を、怪訝そうに眉を顰めて私を見上げてくる悠。
大丈夫。ちゃんと話をつけてくるから。
そうしたら、悠は何も心配しなくて済むからね。
「ん?そう。昔の友達にね」
ギュッとスマホを握り締め、前を向いて歩きはじめた。