クローバー♧ハート - 愛する者のために -

もしかして裕貴のお父さんが、なかなか後継ぎが出来ないからと業を煮やして、私のことを彼女に言った、とか?



「あいつがどうやって知ったかなんて知らない。だけど、由依が陽香のことを調べて子供がいるって言ってきたんだ。この調査書も、あいつが持ってきた」



パサッと、興信所の名前が入った茶封筒をテーブルの前に置いた。

本当に由依さんが?!――。

信じられないけれど、信じるしかない。後ろに糸を引いている人物がいたとしても。



「なぁ、前向きに考えてくれないか?悠のこと」



前乗り気味に体をテーブルに寄せて、真剣な顔で私を見詰める裕貴。

こんなに必死になる彼を見るのは、いつ振りだろう。



「私の考えは変わらないわ。だいたい今更何なの」



誰がきても、私の気持ちは変わらない。

悠を渡す気は、微塵もないんだから。



「そのことは、すまないと思ってる。俺も由依が持ってきた報告書が無ければ、君が子供を産んでたなんて知らなかった」


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