クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「行きますよ」
「え、でも。まだ、話が……」
戸惑い、護くんと裕貴の顔を交互に見てしまう。
だって本当に終わってない。裕貴が悠のこと諦めるって、言ってくれてないのに。
このままじゃ、私がココに来た意味ない。
「いいから」
少し苛立ちを含んだ声で、私の手を強引に引っ張る。
その有無を言わさぬ力の強さに私は逆らうことが出来ず、その場を立ち上がり
唖然とする裕貴を一人残したまま店を出た。
「ま、護くん。どこまで行くの?ねぇってば」
Caféを出てから数分。
一言も喋らず、ただ足早に通りを進んでいく。
長身の彼が早足になるのだから、158㎝の私は当然小走りになる。
それに手も繋いだままだ。
「護くん、手離して。痛い――」