クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「も、ヤダ……私、っ――」
情けなくて、一度引っこんでいた涙がまた溢れ出てきた。
護くんのシャツを掴んで、額を彼の胸に押し付ける。
「はるさん……約束して下さい。もう二度と、一人であの人たちに関わろうとしないって。行動を起こす前に俺たちに話をするって。俺をもっと頼って下さい」
呆れられても可笑しくないのに、彼の声はとても優しい。
護くんは私を引き剥がすことなく、優しく手を添える程度に腕を回して
右手で小さな子供をあやす様に頭を撫でる。
そして小さく安堵の溜息を吐きながら「何もなくて良かったぁ」と声を漏らした。
「ねぇ、はるさん。はるさんが今立ち向かうべき人は、裕貴さんではなく悠だと俺は思うんです。ちゃんと悠と向き合ってください。100%理解できなくても、気持ちは届きますから」
この話を解決するには、その方法しかないのかもしれない。
悠を守るためには、彼自身も知らなければいけないのかもしれない。
彼がどう思うのか、私が怖がっていてはいけないんだ。
一番不安なのは、きっと悠なのだから。
「……――はい」