クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「あ、はるちゃん。おはよう」
「おはようございます、佳純さん」
病院について、更衣室でナース服に着替えていると
すでにナース服に身を包んだ佳純さんが、花瓶と花を手に入って来た。
「佳純さん、その花って……」
一瞬、悪い予感がよぎる。
「あぁ、近所の方から貰ったの。受付のところに飾ろうかと思ってね」
そうか、良かった。誰も、亡くなってないんだ。
佳純さんは、時折花を買ってきては空いた病室に花を生けるときがある。
それは必ず誰かが亡くなった時――。
ココは病院だから、元気に帰っていく人もいれば亡くなってしまう人もいる。
悲しい事だけれど、どんなに手を尽くしてもどうしようもない時もあるのだ。
「佳純さん、私がしましょうか?」
「いいのよ。それより、悠くんは元気?今度遊びに連れて来てね」
「はい」