クローバー♧ハート - 愛する者のために -
何となく、これって確信犯のような気がするのは気のせいなのかな?
ま、いいや。さっさと食べて、片付けして出掛けよう。
なんたって今日の主役は、悠なんだから。
その彼は、護くんが持ってきたスポーツバッグに興味津々のようで
何が入ってるのか、しきりに護くんに聞いている最中だ。
「内緒」とはぐらかしているものの、きっとその中には悠へのプレゼントが入っているはず。
どんな誕生日になるのか楽しみ。
朝食を食べ終え、護くんが運転してきた丸みを帯びた赤のコンパクトカーに乗り込み
三十分ほどの距離にある公園へ出発。
爽やかな初夏の青空が広がる公園。
しばらく三人で他愛のない話をしながら散策して、広い芝生のある広場へ向かう。
悠を挟んで並んで歩く姿は、もしかしたら仲がいい親子に見えたりするのかな?
今まで二人で歩くのに慣れてしまっている分、何だか違和感があるけど嫌じゃない。
むしろ、胸の奥がホカホカする。