クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「ここらへんで少し休憩しませんか?」
「えー、イチにぃ遊ぼうよ」
近くに大きな木があり、木陰になっているところで腰を下ろす。
けれど悠は不服らしく、護くんの服の裾を引っ張りおねだりしている。
こんな姿は、珍しい。私になんて、滅多にワガママ言ってくれないのに――。
「よし分かった。じゃ、これで遊ぶか」
そう言って芝生に下したスポーツバックの中から、ラッピングされたあるものを取り出した。
「それって……」
「誕生日プレゼント。開けてみ」
ニカッと白い歯を見せて笑い、悠にサッカーボールほどの大きさの包みを手渡す。
悠は嬉しそうに、ワクワクした表情を浮かべて丁寧に包みを開けていく。
「わぁ……イチにぃ、これ本当に貰っていいの?」