クローバー♧ハート - 愛する者のために -

夕方――。



「悠、寝ちゃいましたね」

「きっと沢山遊んで、疲れたんだと思う」



後部座席に横になって寝ている悠。

その顔をとても満足しているように見える。



「今日は、本当にありがとうございました」

「何言ってるんですか、これからが本番でしょ?」



護くんの言う通り。

悠が起きたら、話を聞いてもらわなくちゃいけない。

小さな彼にとっては、とても酷な話を――。

私は、シートベルトを締めながら前を向いた。


家に帰ってきた私は、夕飯の用意にとりかかる。

悠の大好きなもの中心に。

けれど今日は護くんもいるから、彼に感謝の気持ちを込めて作っていく。

そうして陽も沈み、近居の窓にも明かりが付き始めるころ

悠がようやく起きて来て、三人でリビング集まった。


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