クローバー♧ハート - 愛する者のために -
そうだろうか……大丈夫と思いたい。けれど不安で仕方ない。
私と悠の間に、大きな壁が出来たみたいだ。
「……悠を、よろしくお願いします」
玄関先まで見送りに出て、護くんに深く頭を下げる。
悠は避けるように、そっぽを向いて私の顔を見ようとはしない。
「はい。じゃ……おやすみなさい。ほら、悠もはるさんに“おやすみなさい”って言って」
「……早く、行こ」
護さんが悠の頭を持って、こちらに向かせようとするけれど
頑なにソレを拒み彼の袖を引っ張って、ココから早く出て行こうとする。
胸が痛い――涙が出そうだ。
「こら、全く……じゃ、はるさん。お預かりします」
「はい。お願いします――」
カチャッと音がして、二人が部屋を出ていく。
私はもう一度頭を深く下げ、ドアが閉まるまで下げ続けた。
そしてパタンという軽い音がしたとたん、床に一滴の雫が落ちる。