クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「あ、悠。はるさんが迎えに来てくれたよ」
悠の姿を見つけて、護くんが手を降る。
それに気がついた悠は、一瞬だけ私の方を見ると直ぐに友達とのお喋りに戻った。
いつもなら、私を見つけると駆け寄って来てくれていたのに――。
「悠……」
声になるかならないかの小さな音が、口から漏れた。
こんな悠、初めて。
反抗期なんてなかったから、どう接したらいいのか戸惑ってしまう。
「大丈夫ですよ。昨日“嫌い”って言った手前、どうしたらいいのか分からないだけですから。普段通り接してあげて下さい」
そっか。私より、あの子のほうが戸惑っているんだ。
今まで小さな喧嘩はしたけれど、こんな事は初めてだもんね。
こういう時こそ、私がしっかりしなきゃ。
「悠ぅ、帰るよぉ」