クローバー♧ハート - 愛する者のために -
普段と同じように、笑顔で彼の名を呼ぶ。
すると今度はチラッとこちらを見て、友達と一言二言言葉をかわしてから
私達の方に駆け寄ってきてくれた。
その顔は、気恥ずかしさを滲ませているものの笑顔はない。
「ハル……」
「ホラ、早くしないと特売セール終わっちゃう。急ごう」
差し出した手。
その手に、戸惑いながらも重ねられた小さな手。
「……ん」
まだ少しだけぎこちないけれど、大丈夫。
時間をかけて、いつもの私達に戻って行こう。
彼の手を優しく握り締めて歩き出した。