クローバー♧ハート - 愛する者のために -

「……弁護士、さん?」



戸惑いながらも発した、声。

その声には不安と希望が入り混じっている。



「悠には難しい話になると思う。けど、もう悠に隠し事はしない。だから、これからのこと一緒に考えていこう」



悠は何も言わない代わりに、私の両袖をギュッと握り締めて答えてくれた。


私と悠の未来。

これからどうすべきか、相手がどう出るのか分からない。

だからこそ、ひとつの判断材料として専門家に相談してみよう。

今度は、悠も一緒に――。


もしかしたら、そこで何かしらの結論が出るかもしれない。

吉と出るか凶と出るか。

どちらにしても、悠にとって幸せな方を選びたい。

どんな結果が待っていようと、私はそれを受け入れよう。



やっと、本当の意味で覚悟が出来たみたいだ。

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