クローバー♧ハート - 愛する者のために -
更衣室を出て、受付へ向かう。
その日一日はどう働いたのか、半分記憶がない。
それほどに、あの人からの連絡に精神的ダメージを受けていた。
あぁ、悠に会いたい。
この手に、抱きしめたい。
あの子は私にとって、無くてはならない存在。
私の全て。生きる意味。私の命そのもの――。
「悠ぅ」
夕方、仕事が終わり急いで幼稚園へ。
彼の小さな背中を見付けて、駆け出す。
「ハル?」
いつもより早い時間に迎えに来た私に驚いたのか、振り返り不思議そうに見つめる。
「あ、はるさん。今日は早いん……」
廊下にいた一ノ瀬センセの脇をすり抜けて悠を抱きしめた。