クローバー♧ハート - 愛する者のために -
何をもって“大丈夫”って言えるのよ。
結局、車の中でも説明しなかったし、由依さんは悠を自分の子供に出来るって思ってるんじゃないの?
それに、もし彼女が悠になにかしたら――。
「由依も、そこまで馬鹿じゃない。陽香が心配するような事はしないさ」
私の様子に何かを感じたのか、安心させようとしてくれる。
大丈夫だと思いたい。だけど胸騒ぎがするのは、どうして?
悠の不安が、私に伝わってきているのかな。
「由依さんのこと、信頼してるのね。冷えきってると言っても、案外上手くやってんじゃないの?」
「……そうでもないさ。由依のあんな笑顔、久々に見たしな」
裕貴は私の隣に腰掛け、どこか遠い目をして空を見上げた。
「それでも、悠が行きたいって言わない限り渡さないから。前にも言ったけど、あの子は私の命そのものよ。簡単に引き渡せない」