クローバー♧ハート - 愛する者のために -
居ても立ってもいられなくて、戸惑う裕貴たちを振り返ることなく私は走り出していた。
当てなんてない。ただ、悠が行きそうな場所。
気に止めそうな所に行ってみるしかない。
楽しそうに行き交う人達。その中に紛れていないか、必死に探していく。
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あれから三十分以上探してるのに、見つからない。
悠、何処にいるの?無事でいて、お願い。
『あ、ハルの好きなクマさんが居るよ』
裕貴と遊園地に行くと決まったある日。
買い物に行ったスーパーで、壁に張って立ったチラシを指さし悠が立ち止まった。
『どこ?あ、ホントだ。カワイイよね~♪このフォルム、仕草、そして声もほのぼのとして……あぁ、ギュッてした~い♡』
そう言いながら、目の前の悠の小さな体を後ろから抱きしめる。