クローバー♧ハート - 愛する者のために -
やっぱり、これは彼女の仕業。知ってて私に教えなかったんだ。
もしかしたらって思っていたけど、こんなの言葉聞きたくなかった。
不安を煽ってアタフタする私を見て、面白がっていたんだろうか。
せめて悠を心配する言葉が聞けたなら、少しは安心できたのに――。
「そんなに慌てなくてもいいのに。子供なんて、放って置けばいいのよ。何かあれば、誰かが知らせてくれるわ」
――裕貴の嘘つき。
なにが、私の心配するようなことはしないよ。
悠を泣かせて、不安にさせて……一番しちゃいけないことでしょ。
それに、放って置けばいいって何?
子供を何だと思ってるの?!
パーン!!
乾いた音が園内に響き渡る。
怒りがふつふつと沸き上がり、口より手が先に動いていた。
「さっきから聞いていれば何なの!?子供を物のように言わないで!!」
彼女は呆気を取られたように、赤くなった頬に手を添えている。
しかしすぐに我に返り、鬼の形相で私を睨み付けてきた。