クローバー♧ハート - 愛する者のために -
凛とした、迷いのない声。
それは、私の良く知っている人の声で――。
「え……」
「あなた誰よ。邪魔しないで!!」
彼の姿を目にし驚く私に対し、由依さんは不機嫌に睨み付けた。
そして間に入った彼にも、手を上げ殴り掛かろうとする。
けれど彼女の手もまた軽々と、彼に受け止められてしまう。
「イチにぃ!」
悠が私から離れて、彼の元へ抱き付いていく。
まるで助けを求めるように――。
「……どうして、ココに?」
彼が間に入ってことにより、血が上っていた頭が冷えていく。
「ん~、はるさんが呼んでる気がしたから?なんてね」