クローバー♧ハート - 愛する者のために -
お泊り会の夜
あれから一週間が過ぎた。
裕貴からの連絡があった日から、上の空になる日が多くなった。
気にしてはいけない、そう思うのに考えてしまう。
彼が、何のために連絡してきたのかを――。
「……ル……ハル、ハルってば聞こえてないの?」
悠が心配そうに私の肩を揺すり、声を掛けてきた。
いけない、また考え事をしてしまっていたみたい。
「ぅえ?あ……ゴメン。何?何か言った?」
「指。血が出てるよ」
指?……悠に言われて自分の指を見る。
すると針が指を突き刺し、今にも血がシャツに落ちそうになっていた。
そういえば、取れたボタンを縫いつけようとしている途中だった。
「ぅわっ、痛っ……ダメね」