クローバー♧ハート - 愛する者のために -

私の言葉を信じられないのか、それとも思い当たることがあるのか

瞳を揺らし動揺し始める由依さん。

首を左右に小さく揺らしながら、覚束ない足取りでニ、三歩後ろに下がる。



「そんな……でも、あれは――」



私に話しかけるでもなく、小さく呟きながら頭を抱え込んでいく。



「嘘……それじゃ、私が?……でも、そんな……だったら、なんで――」

「由依さん、大丈夫?」



今にも倒れそうなくらい動揺みせる彼女の体を支え近くのベンチに座らせた。

何かを思い出したのかもしれない。



「ねぇ、どうして?どうして私じゃダメなの?」



今まで強気だった彼女が、急に声を詰まらせ今にも泣きだしそうに顔が歪ませる。

そして私に縋りつくように、強く腕を掴んできた。

何が、由依さんをココまで追いつめているの?

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