クローバー♧ハート - 愛する者のために -
泣き崩れる自分の妻を目にし、ずっとその場に立ち尽くしていた裕貴に
怒りを含んだ視線を投げかけた。
「俺が由依を?」
裕貴……あなたは、目の前で泣きながら自分の気持ちを吐き出す彼女を見てどう思うの?
最初は親の強引な勧めで、権力や地位の為に彼女を選んだのかもしれない。
だけど結婚して家庭を持てば、大切な人を守れる男に変わるだろう。
いや、変わっていて欲しいと願っていた。なのに――。
「そんな……だって由依は、俺の事嫌ってるって思ってたから――」
私と由依さんを交互に見ては、時々私に助けを求めるように視線を投げかける裕貴。
だけど、ここで私が安易に助ける訳にはいかない。
どうしなければいけないのか自分で考えて、裕貴自身が答えを出さなきゃ。
今変わらなきゃ、ずっとこのままよ。それでも、いいの?!
「あなたしか、由依さんは救えないの!しっかりしなさい、裕貴!!」
「でも、俺……」