クローバー♧ハート - 愛する者のために -
まだ迷っているのか、瞳が激しく揺れ動揺を隠せないでいる。
あーもう!ここまで女々しいと、ムカつく。
「嫌いよ!子供も裕貴も、みんな嫌い!!」
この人の“嫌い”は愛情の裏返し。
好きなのに、自分を正当化させるための嘘。
彼女にそこまで言わせて、いいの?!
「由依さんは、あなたの奥さんでしょ?!あんたが支えなくて、どうするの?!」
「っ!!……痛っ……陽香――」
パーンと彼の背中を思い切り叩いて、喝を入れた。
すると痛みのあまり涙を浮かべながら私の方を見たけれど
今どうすれないいのか、ようやく答えが出たようだ。
覚悟を決めたキリッとした表情で、彼女に近づくと隣に座って
そっと肩を引き寄せ抱きしめる。
「由依。ごめん……俺、由依の気持ちに気が付かなかった」