クローバー♧ハート - 愛する者のために -
少し小悪魔っぽく、そう呟く。
なんだか彼女らしさが、戻って来たみたい。
でも、きっと彼女が一番欲しかった言葉だったのかもしれない。
「ばか。言えるかよ」
裕貴は恥ずかし気に頬をだけでなく耳まで真っ赤に染めて、そっぽを向いた。
私にだって、そんな言葉言ってくれたことない。
ちょっと妬けちゃうけど、これでいい。
きっと裕貴は……うんん、裕貴だけじゃない。由依さんも変われるはず。
噛み合わなかった“夫婦”という歯車が、今ようやく噛み合ったんだ。
何があっても、二人で手を取り合って乗り越えていくだろう。
そして、私は願う。
これから二人でしか作れない幸せを、掴んで言って欲しいと――。