クローバー♧ハート - 愛する者のために -

「ありがと、チュッ♡」



小さな体をふわっと抱きしめて、柔らかな頬にキスした。



「あー、はいはい。行くよ」



私の体を押しやり、そっぽを向く悠。

冷たい返事の割には、耳の端を赤くして照れている。


あぁ、もう本当に可愛い。

親バカと言われようが、可愛いものは可愛い。

悠は、今年六歳になる私の息子。


この家には、私と悠しかいない。

いわゆるシングルマザーだ。未婚の母とも言うかな。

贅沢は決してできないけれど、それなりに幸せな毎日を送っている。

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