クローバー♧ハート - 愛する者のために -
大切な人
「大団円って感じ?」
いつの間にか、護くんが悠を連れて私の隣に立っていた。
本当、神出鬼没っていうか、タイミングがいいって言うか――。
「うん。そうかもね」
「ねぇ、ダイダンエンって何?」
私の服の裾を引っ張って、首を傾げる悠。
子供の悠には、少し難しい言葉だよね。
「全て丸く収まったってことかな」
「じゃ、僕。ハルと離れなくてもいいの?」
あ、そうだった。
結局のところ、その話が未だきちんと終わってない。
「裕貴。悠のことだけど……」
「あぁ、もう養子にとは言わない。ただ……出来れば、また会わせて欲しい。いいな、由依」