クローバー♧ハート - 愛する者のために -
裕貴は、由依さんの体を支えながら立ち上がった。
少しフラつくみたいだけど、もう大丈夫みたい。
「はい。陽香さん、いろいろ失礼なことして申し訳ありませんでした」
しおらしく頭を下げる由依さん。なんか別人みたい。
だけど本来の由依さんって、きっと可愛らしくて天真爛漫な人なんだと思う。
遊園地に来た時の悠への笑顔は、本物だと信じたいから。
「いいえ。いろいろ誤解があったみたいですし。私は、今まで通り悠と暮らせたらそれでいいんです」
それが、私の一番の願いだ。
私の隣で悠が笑っていてくれれば、今は何も要らない。
いつか悠が私の傍から巣立つときまでは――。
良かった。これで、今まで通り悠と暮らせるんだ。
ホッとしたと同時に、クラッと眩暈がした。
「はるさん、大丈夫ですか?」
ふらついた私の体を、護くんが支えてくれる。