クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「ぅん……平気。ちょっと、寝不足なだけ」
心配かけないように、護くんに微笑んだ。
気が抜けたら、さっきまでの体調不良がぶり返したみたい。
「陽香。さっきも具合悪そうだったし、帰って休んだ方が良い」
「あら、それは医者としてかしら?」
冗談めいてそう言った。少し意地悪だったかもしれない。
でもこれからは、こういう冗談も言い合える友人になれればいいと思う。
「医者としてだ。それに俺も、由依を連れて帰りたいんだ。ゆっくり休ませたい」
裕貴は由依さんを支えるように抱きしめ
そして、私は護さんが肩を抱きしめるように支えてくれている。
傍からみると、向かい合って同じ格好をした二組の男女が
なにをしているのかと可笑しな光景かもしれない。
だけど、何故だかそれが凄く幸せに感じた。
「じゃ俺が、悠とはるさんを送り届けますよ」
「そうか、頼んだ。助かるよ」