クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「ううん、好きだよ。もしさぁ、仮にだよ。例えば、ね――」
「ハル、変だよ。何が言いたいの?」
どう切り出せばいいのか言い淀む私に、完全に怪しむ悠。
もう、しっかりしろ。今回の事で、たくさん学んだはずだ。
悠には、もう隠し事はしない。ちゃんと話して、乗り越えてこそ親子なんだって。
「もしも、護くんが悠の“お父さん”になるって言ったらどうする?」
暫くの間、沈黙が続く。重い、長いよ、この沈黙。
どうなの?何を考えてるの、悠。
悠は、一瞬驚いたように目を丸くして私を見たけれど
何も言わないまま、また一口オムライスを頬張っている。
そして徐に、下を向いたまま口を開いた。
「……いいんじゃない?イチにぃ、ハルのこと好きだって言ってたし……」
「へぇ、そうなんだ。悠、知ってたん……えっ?!今、何て言った?」
水が入ったコップを手にし、何気なく答えた言葉に手が止まる。
そして目を瞬かせ、思わず声を張り出してしまった。