クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「煩い。大声出すなよ、近所迷惑だろ」
言葉の通り、迷惑そうに私を睨みつける。
いやいやいや、それどころじゃないよ。
悠は、護くんの気持ちに気付いてたってこと?それって、いつから?!
「イチにぃの気持ち知らないの、ハルくらいだよ。園のみんな、知ってる」
嘘でしょー!!幼稚園のみんな、知ってたの?
まさか、だから私が“護くん”って言っても園長も他のスタッフの人も
笑って何も言わなかった……ってこと?
「ほんと、鈍感」
確かに、あの時告白されてなかったら今でも気付いてなかったかもしれない。
悠と仲のいい、保父さんとして仲良くさせてもらっていただろう。
「僕、もう二人とも付き合ってるんだと思ったのに……だから“良かったね”って言ったのに――」
そう呟いて少し不貞腐れたように、またオムライスを頬張る。