クローバー♧ハート - 愛する者のために -

数日後。

護くんから連絡がきて、八月の頭に悠と三人で水族館に行くことになった。

あの遊園地の日から、初めて会う。

何故だか分からないけれど、緊張する。

初めて会う人でも無いのに不思議だな――。



「ハル。なんか今日、気合入ってない?」

「そんなことないよ」



相変わらず感がいいと言うか、よく見てる。

確かに、知らず知らずのうちに普段着ないワンピースとかに手が伸びていた。

だけどそれは確実に、気持ちが浮かれてるのが自分でも分かって

結局、白い小さな花柄の付いたネイビーの半袖カットソーとガーゼ素材のサーキュラースカートに落ち着いた。

これでも結構抑えたつもりだけど、悠には分かっちゃうんだ。



「ふ~ん。いつもと違うと思うけど……」



訝し気に私を見上げた後、プイッと顔を背けた。

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