クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「悠は、知らなくていいから」
そう言って、悠から手紙を奪い取る。
思った以上に、冷たい言い方になってしまった。
悠が気にしなければいいけど――。
このまま、ココにいたらダメだ。
悠は何も悪くないのに、彼を責めてしまいそう。
リビングに残した悠を気にしつつも、部屋を出て後ろ手にドアを閉めた。
「ダメな、母さんね……」
思わず頭を抱え、深い溜息を吐く。
あんなに取り乱したら、誰だってあの人と何かあったって分かってしまう。
悠も怯えてた……あんな顔、させたくなかったのに――。
ゴメンね。お母さん、ちょっと頭を冷やしてくる。
そして自室に戻って上着を手にし、悠にお留守番を頼んで外へ。