クローバー♧ハート - 愛する者のために -

まだ五歳だけど今までに何度か、一人でお留守番をして貰ったことがある。

だから、きっと大丈夫。

それに直ぐに戻ってくるつもりだし――。

お詫びに近くのコンビニに寄って、悠の大好きなシュークリームを買って来よう。


コンビニに行く途中にある、小さな公園に寄りベンチに腰掛けた。

右手に握った真っ白な手紙。

ご丁寧にも、送り主の名前に振り仮名が書いている。

だから五歳の悠にも読めたんだ。ズル賢い人――。


この中に、何が書かれてあるのか見るのが怖い。

だけど、見ずに捨ててしまう勇気もない。

震える手、心臓が激しく打ち鳴らす。

息苦しい――。

何度も深呼吸を繰り返し、時間を掛けて手紙を開いた。



「ッ――」



ゴクリと生唾を飲み込み、手紙に書かれた文字に目を落とす。

角ばった細文字。見慣れた懐かしい字。

最初の方は私への謝罪の言葉が並んでいた。

読み進めていると「会いたい」「会って話がしたい」等の驚きの言葉と共に、彼の連絡先が綴られていた。

< 24 / 303 >

この作品をシェア

pagetop