クローバー♧ハート - 愛する者のために -
言ってしまおうか。でも、護くんに嫌われるのが怖い。
決心が鈍り、思わず俯いてしまう。
でもこのまま、うじうじ一人で考えてても結論は出ない。
「言ってください。はるさんは一人で抱えてしまうから、俺心配です」
「じ、じゃ……あ、あのね。お願いがあるの、聞いてくれる?」
彼のシャツの裾を握り締め、意を決して見上げる。
「何ですか?俺に出来る事なら、なんなりと」
執事のように胸に手を置いて、ニコリと微笑んだ。
「あの……護くんの……」
「俺の?」
不思議そうに、首を傾げる護くん。
私はゴクリと生唾を飲み込んで、次の言葉を紡ぎ出す。
「ご両親に、会わせて欲しいの」