クローバー♧ハート - 愛する者のために -

手紙をカバンに仕舞って、立ち上がった。

帰ろう、私の家に――。

途中コンビニに寄って、シュークリームを買い家路を急いだ。


その日から、毎週のように手紙が来た。

中身なんて読まなくても分かる。

だから読まずに、尚且つ悠にバレないように捨てた。


そんな日が続いた、六月のある日――。

私はいつものように、幼稚園に悠を迎えに行った。



「あ、はるさん」



目を細めて明るい笑顔を浮かべて近づいてくる一ノ瀬センセ。

なんだか、子犬のようで可愛い。

悠の次に癒やされる存在かも。



「こんにちは。相変わらず、元気ですね」

「はい。元気だけが、取り柄ですから」



そんなこと無いと思うけど。

一ノ瀬センセは、素敵な先生だ。

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