クローバー♧ハート - 愛する者のために -
四葉のクローバー
そんな私の手の甲に、冷たい何かが落ちてきた。
不意に顔を上げると暗い空から、はらはらと白いものが舞い落ちてきている。
「……雪」
「ホントだ。どうりで寒いわけだ。このままじゃ、風邪ひいちゃうね。中に入ろう」
もしかしたら、帰る頃は一面白銀の世界になっているかもしれない。
普段の悠が見たら、きっと喜ぶのに……今は寒さと眠たさで、それどころでは無いみたいだ。
護くんの後を追って、入ったのは礼拝堂。
厳かな雰囲気が漂い、身が引き締まる。
暖房をしてくれているのか、外に比べるとずいぶん温かい。
これならコートを脱いでも大丈夫そうだ。
明日のクリスマスイブの準備か、あちらこちらに飾りが施されていた。
一番前の椅子に座り、眠たそうな悠を横に寝かし上からコートを掛ける。
すると数分後には寝息をたてはじめた。
「もう。佳純さんのところにいれば、寒い思いしなくて済んだのに」
思わず愚痴が口をついで出てしまう。
でも寝顔が可愛くて、コート越しに彼の背中をポンポンと優しく叩いていく。