クローバー♧ハート - 愛する者のために -
それはそれで複雑かも。好きな子には、優しくして欲しい。
やっぱり、親が思うようには子は育たないってことなんだろう。
「俺、今まで両親なんて知らなくていいやって思ってた。だけど、俺の母親ってどういう人だったんだろうって考え始めたのは、裕貴さんから悠を守ろうとするはるさんの姿をみてからなんだ」
あの時は、自分のことで精一杯だったから周りのことなんて考える余裕無かった。
けれど護くんは護くんなりに、考えるところがあったんだね。
単に私のことが好きだから、いろいろ助けてくれた訳じゃなかったんだ。
「どうやって調べたの?」
もし名前も分からないのなら、探すのだって容易じゃないはず。
人伝なら尚更、大変だと思う。
「初めはひとりで、俺を育ててくれた孤児院に当たってたんだ。だけどでさっぱり掴めなくて、最終的に裕貴さんに興信所紹介してもらって、なんとか調べた」
「裕貴に?」
「そう。迷惑を掛けたからって、費用も出してくれるって」
そうだったんだ。私の知らないところで、いろいろ動いてくれたんだ。
裕貴と再会したのも、悪くなかったのかもしれない。