クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「悠……私なら、一人で大丈夫だよ?」
煩い程に心臓が鳴り響く中、屈んで悠の目線に合わせる。
何を知ってるの?何を想っているの?
悠は、心配しなくてもいいんだよ。
「だって、最近のハル抜け過ぎてて、火事おこしそうなんだもん」
え……抜き過ぎてるって。そこまで、酷かった??
そりゃ、少しボーっとしてしまうこともあるけど、そこまで酷くないと思う。
「悠……それ、酷くない?いくらなんでも、火事なんておこしません」
「そうかなぁ。いつもに増して、物忘れ多いしボーっとしてるよ?あ、もしかして年の所為?」
さらっと今、失礼なこと言ったよね。凄くバカにされた気分なんですけど。
さっきのドキドキ、返しなさいよ。
「悠くん、今なんか言った?お母さん、年の所為で聞こえなかったみたい」
わざと、“年の所為”と強調して悠の肩を強く掴む。
そして、怒りを隠して笑ってみせた。