クローバー♧ハート - 愛する者のために -

クスクス笑っていると「どうかした?」と護くんが聞いてくる。



「ん?だって、驚きの連続だなって思って」

「ごめんね」



申し訳なさそうに、顔を伏せてしまう。

そんな彼の頬を包み込むように、両手で挟んで顔を上げさせる。



「なんで謝るの?私、嬉しかったよ。護くんのこと知れたし、誓いの言葉も、これも」



左手を彼に見せ、笑う。

こんなに幸せなことない。本当に、こんなに幸せでいいのかって怖いくらい。



「んんっ……はる?」



さっきの鐘の音の所為か、それとも私が動いたせいで目を覚ましたのか

目を擦りながら頭を上げる悠。



「悠、起きた?」

「……今、何時?」

「ん~、二十二時過ぎだよ」



腕時計に目を落とし、教えてあげる。

思ったより時間が過ぎてた。


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