クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「あ、ハルの指」
悠も気が付いたのか、私の左手に輝くリングに
目が引きつけられている。
「ん?あ、コレね――」
私は、悠にも見えやすいように手の甲を彼に向けて
プロポーズを受けたことを、報告しようとした。
けれど、それは必要なかったみたい。
「イチにぃがあげたの?」と直ぐに笑顔で言ったから。
以前から護くんの気持ちを知っていた悠は、彼が私のパートナーとなることを望んでいた。
「そうだよ。悠、俺がお父さんになってもいいか?」
「うん。もちろん」
そう言って、目の前に屈んでいた護くんに飛びつくように抱き付いた。
本当に悠は護くんの事が大好きなんだなぁ。
ちょっとだけ、妬けちゃうかも。