クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「わぁ、なかなかやるな悠のヤツ。宣戦布告って感じ?」
「宣戦布告?どうして?」
護の言っている意味が分からなくて、首を傾げる。
「俺と悠は、ライバルって事」
ライバル……なんの?
何かで競ってるんだろうか。
「分からない?俺たちは同じ人が好きなんだ」
え……それって、私って事?!
顔を真っ赤にしながら口をパクパクしていると、隣でクスリと笑みを浮かべて
「モテモテだね」と額に唇を押し当てた。
「ちょっと、こんな所でっ!」
誰かに見られたら、どうするのよ。
今日から六年間、悠が通うことになるのに。
「ははっ。行こう、いい席取られちゃう」
笑みを浮かべながら走り出す護を追いかけるように体育館に向かった。