クローバー♧ハート - 愛する者のために -

悠は、私が泣いてると凄く動揺する。

その時の悠は素が出るのか、いつも感じる壁のようなものが消えてしまう。

瞬間的であっても素の表情を見たくて、つい意地悪をしたくなるのだ。



「いや、き、嫌いとかじゃなくて……」



ふふっ、慌ててる。もう、本当に可愛いなぁ。

オロオロしてる悠の隙をついて、抱きしめた。


柔らかくて、私より体温の高い悠。

最初だけジタバタしてたけど、諦めたのか今は大人しく私の腕の中に収まっている。


きっと大きくなれば、こんな事出来なくなるだろう。

今だけの母親の特権。

愛しい気持ちを込めて小さな体を腕の中に閉じ込めた。



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