クローバー♧ハート - 愛する者のために -

何にせよ、いつもの生活が戻って来たんだ。

それに今日は、帰りの時間を気にしなくでもいいなんて素敵じゃない。

滅多に無いこの日を楽しまなくちゃ。


呑気にそんな事を思いながら、出勤していつもどおりの仕事をこなしていく。

急患もなく、平和な一日が過ぎていった。



「もう21時か……悠、もう寝てるのかな」



幼稚園では、20時が就寝時間。

だから子供がグズったり駄々をこねない限りは、皆で布団に入ってしまう。

きっと悠も今頃は夢の中だ。いい夢、見れてるかな。



「あ、はるちゃん。今日は、もう上がっていいわよ」

「はい。じゃ、お先に失礼します」



佳純さんに、挨拶してロッカールームに向った。

そして、着替えて裏口から出て空を仰ぎ見る。

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