クローバー♧ハート - 愛する者のために -
どうすればいい。何を言えば悠を守れるの、何かいい方法は……。
「だとしても、あなたの子供とは限らない」
苦し紛れに出た言葉がソレだった。
「陽香は俺と別れて直ぐに他の男にいくなんて、器用な真似できないだろ」
俺は知ってるんだぞと言わんばかりに、冷ややかな目で私を見詰める。
やっぱり、嘘だとバレてしまった。
そうだ。裕貴は興信所を使っていたんだった。
もしかしたら悠の戸籍に、父親の蘭が空白になっているのも知っているのかもしれない。
「どうして、今更――」
「俺、結婚したんだ」
そんなこと知ってる。あなたは、櫻井総合病院の院長の孫娘と結婚をした。
当時付き合っていた私を、布きれのように捨てて――。
「だけど、六年経った今でも子供が出来なくて――今では、夫婦仲も冷めてしまってね」