クローバー♧ハート - 愛する者のために -
突然の告白
叫ぶと同時に、ガシャンと大きな音を立てて自転車が倒れた。
「悠は……悠は渡さない」
「陽香、落ち着けって」
こんなこと、落ち着いていられるわけないでしょ。
私の大切な一人息子を、他人に任せらせるわけない。
誰にも、悠は渡さない。
「はるちゃん?どうかしたの?今、凄い音がしたけど……」
病院の中から、佳純さんの声が聞えた。
そういえばココ、病院の目の前だ。
このままじゃ、佳純さんを巻き込んでしまう。
「帰って」
「いや、でも――」
「帰ってったら。もう、話すことなんて無いから」
早くココから消えて欲しい。
というか、私の目の前からいなくなって欲しい。