クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「はるさん?」
え……。
今度は、反対側から声が聞えた。
「一ノ瀬センセ、こんな時間にどうして……」
背中に背負う、小さな影。
嘘……どうして、こんなところにいるの?
今頃、幼稚園で寝てるんじゃないの?
「良かった。はるさん、実は悠が熱を出して――」
熱?嘘でしょ。今朝は何ともなかったのに……。
駆け寄り、彼の背中に背負われてる小さな体に手を伸ばすと――熱い。
熱も高く、じっとりと汗をかき呼吸も荒い。
「イチ、にぃ……」
魘されているのか、小さく呟いた。