クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「そんなに私、頼りないのかな」
この間も、火事を起こすかもしれないからお泊り会行きたくないなんて言ってたし。
そりゃ時々忘れてしまうこともあるけど、母親としては複雑。
「それは違います。辛いはずなのに……きっと、はるさんに会いたかったはずなのに。“ハルに心配かけたくない”って」
そんなことを、悠が?いつも生意気ばかり言ってる癖に。
あぁ、もう涙でそう。私に心配かけたくないって、そんな――。
優しい子。こんな私には勿体ないくらい、良い子に育ったわ。
「あの……はるさん」
遠慮がちに声を掛けてくる一ノ瀬センセ。
どうしたんだろう、他に気になることがあるんだろうか。
「何ですか?」
「こんな事、聞いていいのか分からないですけど……外にいた人って、もしかして――」