クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「嬉しいけれど、それは――」
「俺じゃ、ダメですか?頼りになりませんか?」
そうじゃない。ただ、迷惑を掛けたくないだけ。
私の揉め事に、幼稚園の先生を巻き込むわけにはいかないでしょ。
「これは、私の問題です。先生にご迷惑をお掛けするわけには――」
「それこそ、迷惑だなんて思いません。俺……はるさんの事が、ずっと前から好きだったんです」
え……嘘。なんで、そんなこと今――。
ビックリして、言葉が出ない。
「スミマセン。こんな時に、言うつもりじゃなかったんですけど……」
「私、は――」
「返事は直ぐじゃなくていいです。今は、はるさんが苦しんでるなら助けたい。ただ、それだけですから」
テーブルについた私の両手をギュッと握りしめて、強い眼差しで私を見詰めてくる。
彼は本気だ。嘘なんて吐いていない。
そんな彼に私はどうすれば――。